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2010/3/23

お別れのごあいさつ

子どもたちへ、今も子どもの心を忘れないお父さん、お母さんたちへ

春休みとなって子どもの森にも子どもたちの笑い声が戻って来ました。さあ、いよいよリニューアル後の新しい子どもの森のすがたをみなさんにお目にかけることができるぞ、というときに、つらいごあいさつをしなければなりません。
開館前の準備を入れると7年と8か月の長い間つとめてきた館長を、今月末で退任することになりました。

ほんとうにさびしいです。
玄関前の銅鑼をバコーンとたたく子どもたちや、帰る時に「あっ、たたくの忘れた!」と戻ってきて叩いて帰る子どもたちをもうどれだけ(何千人?)見送ったことでしょう。そうそう、玄関前で「まだ帰らないよー」って泣きながら抵抗していた子もいたっけ。
私はそんな子どもたちを後ろからそっと見守っているのが一番好きでした。

おんちゃんワークショップに通って来てくれた子どもたち、そして7年間、子ども特派員としていっしょにラジオ番組をつくったり、新聞をつくったりして遊んだ子どもたち、本当にありがとう。君たちのことをおんちゃんは忘れないよ、ずっと。
今のまま、のびのびと育って、今の自分を肯定できるおとなになってほしいです。

「おとなも子どもも、のんびり、ゆっくり、ぽけーっとしようよ」
これが7年前に決めた子どもの森のメッセージです。
ここはおべんきょうはしないよ。学校じゃあないから。宿題もないよ、と言った時に、自然とイエーイ!と学年全員でピースサインをしてくれた子どもたちののびやかさが忘れられません。先生方もびっくりでした。みんな、アタマをからっぽにして遊んだよね。
思い出は尽きません。いっぱいいっぱい私のからだのなかに無数に刻み込まれているからです。いまも湯水のように記憶としてあふれてきます。
だから、本当はさびしくないのです。

じゃあ、みなさんお元気で。
来月から、トリのような子どもようなデザインのマークが子どもの森の館内のあちこちに出現します。それを見たらおんちゃんだと思って下さい。いつもみんなのことを見守っているからね。
遠くから子どもたちを連れてきてくれたおとなのみなさん、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

3月23日おんちゃんより(館長 吉成信夫)

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